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精神科医・中井久夫が、兵庫県の有馬病院で医師や看護師に向けて語った研修講義をまとめた一冊。患者さんと初めて出会うとき、暴力をふるわれそうになったとき、回復期に疲れているとき、どんな言葉をかけ、どう振る舞ってきたのか。臨床の知恵が、やさしい語り口で具体的に語られる。
中井久夫
医学書院
遺伝子から宇宙まで、科学や技術を詠んだ約300首の短歌を、新聞記者出身の歌人が紹介・解説する一冊。パンデミック、暮らし、生きもの、地球、宇宙と章ごとに歌を味わいながら、その背景にある科学の話にも触れられる。三十一文字に宿る「センス・オブ・ワンダー」をたどる、科学と文学の交差点。
松村由利子
春秋社
「冬の薔薇」「惑星」「猫戦争」「飛ぶ教室」「春の薔薇」など、全43篇を収めた最果タヒの詩集。恋や死、生きることへの思いが、鋭く新鮮な日本語で綴られる。言葉の揺らぎだからこそ捉えられる心の揺らぎに、そっと触れられる一冊。
最果タヒ
小学館
わずか5店舗だったシアトルのコーヒー会社スターバックスを、北米1,400店規模のチェーンへと育てたハワード・シュルツ自身が語る成長の記録。一杯のコーヒーへのこだわりや、社員を大切にする福利厚生・持ち株制度など、人と価値観を軸にした経営の歩みが描かれる。
ハワード・シュルツ、ドリー・ジョーンズ・ヤング
日経BP社
京都の古い町家で暮らすデザイナーの夕香と、「食の好みが合う」という理由だけで同居を始めた正和。けれど正和には研究一筋の大学院生の恋人・華がいて、同居のことをどうしても打ち明けられない。おいしいごはんと季節の移ろいを背景に、揺れ動く「三角関係未満」の三人を描く物語。
千早茜
祥伝社
中国・四川省の成都からビルマ(ミャンマー)北部を抜け、インドを目指す幻の「西南シルクロード」。その踏破に挑んだ著者の前に、深いジャングルと反政府少数民族ゲリラが支配する秘境が立ちはだかる。困難続きの旅なのに思わず笑ってしまう、高野秀行の辺境ノンフィクション。
高野秀行
講談社
鍛冶の里で育った少年キリヒトは、王宮の命により、大陸最古の図書館に住む「高い塔の魔女」マツリカに仕えることになる。膨大な書物と多くの言語に通じながら、自らは声を持たない少女マツリカ。手話で心を通わせる二人は、言葉と知恵を武器に、国々の思惑が渦巻く政治の世界へ踏み込んでいく。
高田大介
イギリス・カンブリア州のストーンサークルで、高齢の男性が次々と焼き殺される連続殺人が発生。遺体のひとつには、停職中の国家犯罪対策庁の刑事ワシントン・ポーの名前が刻まれていた。捜査に呼び戻されたポーは、天才分析官ティリーとともに事件の真相を追う。人気シリーズ第1作の英国ミステリ。
M・W・クレイヴン
早川書房
人間関係やお金、結婚、子育てなど、日々の悩みとの向き合い方を、心理カウンセラーの心屋仁之助が語る一冊。「問題視するから問題になる」「気にしないほうがうまくいく」といった考え方を通して、自分を許し、肩の力を抜いて生きるためのヒントを伝える。
心屋仁之助
三笠書房
眼科医の本部千博が、自宅で手軽にできる視力回復トレーニングを紹介する本。「ブルー・アイグラス」「不思議絵」「アイネック体操」で目の緊張をほぐす方法に加え、近視につながる生活習慣の見直し方も解説する。1日5分から始められる、目のセルフケアの入門書。
本部千博
死刑執行人が名誉ある職業とされる国で、その家の三男に生まれたジェベル。やせっぽちのために跡継ぎの道を閉ざされた彼は、強さを手に入れるため、奴隷のテル・ヒサニを連れて火の神のもとを目指す試練の旅に出る。「ダレン・シャン」の作者が、人間とは何かを問いかける冒険ファンタジー。
ダレン・シャン(作)、西本かおる(訳)、田口智子(絵)
「若者を堕落させ、国の神々を認めない」として告発された哲学者ソクラテスが、法廷で自らの生き方を語った弁明を、弟子プラトンが書き残した古典。その名著を関西弁で訳し、ソクラテスの語りを親しみやすく生き生きとよみがえらせた一冊。哲学の入り口として気軽に手に取れる。
プラトン、北口裕康(訳)
PARCO出版
作家ポール・オースターがアメリカのラジオ番組を通じて全米から募った「本当にあった話」を編んだ実話集。動物、家族、戦争、愛、死、夢など、無名の人々が綴った短い物語が、笑える話から胸を打つ話まで並ぶ。柴田元幸らの翻訳で味わう、ふつうの人々のアメリカの記憶。
ポール・オースター(編)、柴田元幸(訳)
新潮社
妻を亡くし、酒とギャンブルに溺れて生きる軸を失ったユウジは、関西に移り住む。競輪記者のエイジ、芸能プロダクション社長の三村、編集者の木暮――まっとうな社会の枠に収まりきらない三人の「愚者」たちと過ごした濃密な時間を描く。友情と再生をめぐる、伊集院静の自伝的長編。
伊集院静
集英社
ChatGPTのような生成AIは、本当に言葉を理解しているのか。社会学者の大澤真幸が、AI研究者の松尾豊、認知科学者の今井むつみ、言語学者の秋田喜美と語り合い、言語と知性の本質に迫る一冊。記号接地問題や言語の習得、創造性などを手がかりに、AI時代の人間と言葉を問い直す。
大澤真幸、松尾豊(ゲスト)、今井むつみ(ゲスト)、秋田喜美(ゲスト)
左右社
アメリカに留学中の青年・壇タクヤは、親友エディと妹の結婚を機に、マフィア一族の冷酷な掟に巻き込まれ、両腕を失ってしまう。復讐を誓う彼は、超能力を研究する医師から、意思の力で自在に動く鋼鉄の義手を手に入れる。憎しみが生み出す悲劇を描いた、手塚治虫の復讐劇。
手塚治虫
秋田書店
帝政ロシアの都ペテルブルク。白夜の季節、空想の中で孤独に暮らす貧しい青年は、夜の街でひとりの少女ナースチェンカと出会う。幾夜か語り合ううちに、青年の胸には淡い恋心が芽生えていく。ドストエフスキーが若き日に書いた、繊細で叙情的な短編。
ドストエフスキー
KADOKAWA/角川書店
本の内容を細かく覚えていなくてもいい――メディアアーティストの落合陽一が、情報があふれる時代の読書のあり方を語る一冊。読んだことをざっくりと頭に残し、知識どうしを結びつけて新しい問いや考えを生み出すための読み方を提案する。古典や哲学、文学など著者の愛読書も紹介される。
落合陽一
PHP研究所
正体不明の覆面ストリートアーティスト、バンクシー。その話題作・問題作18点を取り上げ、反戦や難民、資本主義への批判など、作品に込められた社会へのメッセージを読み解くムック。パレスチナでの活動や日本で話題になった「ネズミ」の絵なども紹介し、謎多きアーティストの姿に迫る。
宝島社
37歳のワタナベは、機内に流れるビートルズの「ノルウェイの森」を耳にし、大学生だった1969年の日々を思い出す。親友キズキを失ったあとに再会した、キズキの恋人・直子。そして大学で出会った快活な緑。二人の女性のあいだで揺れる青春を通して、喪失と再生を描いた村上春樹の長編小説。
村上春樹
NHK「ラジオ深夜便」の人気コーナーを書籍化した一冊。カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピアらが遺した「絶望の言葉」を、文学紹介者・頭木弘樹の解説と対談で味わう。つらいとき、そっと寄り添ってくれる言葉に出会える本。
頭木弘樹、NHK〈ラジオ深夜便〉制作班、根田知世己、川野一宇
飛鳥新社
京都の大学院生・守田一郎は、クラゲの研究のため能登半島の臨海実験所へ飛ばされてしまう。寂しさをまぎらわすように、友人や先輩、教え子、作家の森見登美彦らへ手紙を書きまくり、「恋文の技術」を磨こうと奮闘するが――。全編が手紙で綴られる、ユーモラスな書簡体小説。
森見登美彦
ポプラ社
韓国語のアドレス帳を拾った美大職員が持ち主を探して韓国へ渡る話、ミャンマーの政治犯が獄中で描いた絵をめぐる話など、アジアを舞台にした5つの短編を収める。国や言葉の違いを越えて、アートが人と人をつなぐ瞬間を描いた作品集。
一色さゆり
ニューヨークで母と慎ましく暮らす少年セドリックは、ある日、自分がイギリスの名門ドリンコート伯爵家の跡継ぎだと知らされる。待っていたのは、気難しく傲慢な祖父の伯爵。素直でやさしいセドリックとの暮らしが、頑なな祖父の心を少しずつ動かしていく。川端康成の訳で読む児童文学の名作。
フランシス・ホジソン・バーネット
翻訳家・向井和美のもとに、ある日、無期懲役で服役中の男性から「読書会に参加したい」という手紙が届く。そこから始まった、本を送り、感想を手紙で交わす二人だけの読書会。家族や罪と償い、信仰などを本を通して語り合った、塀の内と外を結ぶ往復書簡の記録。
向井和美
岩波書店
翻訳家で学校司書でもある著者が、30年以上続けてきた読書会の経験をもとに、仲間と本を語り合う喜びを綴ったエッセイ。読書会への参加の仕方や主催のコツ、課題本の選び方なども紹介され、巻末には長年の課題本リストも収録。本を通じた「魂の交流」の魅力が伝わる一冊。
異常な存在“アンノウン”を収容・研究する秘密組織〈機関〉。その反ミーム部門が相手にするのは、出会った人の記憶や記録から自らを消し去り、認識されることを拒む存在だ。覚えておくことすらできない脅威に、部門長マリー・クインたちが挑むネット発のSFホラー。
qntm 著 鳴庭真人 訳
人気作家チヨダ・コーキの小説を模倣した事件から10年。脚本家・赤羽環がオーナーを務めるアパート「スロウハイツ」では、コーキと、漫画家や映画監督を目指す仲間たちが夢を語り合いながら暮らしていた。空室に新たな住人がやってきたことで、その日々が少しずつ揺れはじめる。
辻村深月
大阪の銀行本店の地下深くに眠る、6トンの金塊。大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが、ハイテクの防御システムに守られたその金塊を奪おうと、大胆な計画を練り上げていく。日本推理サスペンス大賞を受賞した、高村薫のデビュー作。
高村薫
コメディ、昔話、ファンタジー、SFなど、さまざまなジャンルの短いマンガ33篇を収めた作品集。わずか数ページの中に、くすっと笑える話や少し切ない話、思わずうなる発想が詰まっている。『ダンジョン飯』の九井諒子による、どこから開いても楽しめる一冊。
九井諒子
イースト・プレス
外資系コンサルティング会社などで経営戦略に携わってきた山口周が、経営学の考え方を人生に応用する一冊。「パーパス」「キャズム」「ブルー・オーシャン戦略」など20のコンセプトを手がかりに、仕事の選び方や時間の使い方、学びと成長といった身近な悩みへのヒントを示す。
山口周
ダイヤモンド社
とある街の喫茶店「フニクリフニクラ」には、座ると望んだ時間に戻れるという不思議な席がある。ただし、過去に戻っても現実は変わらず、いられるのはコーヒーが冷めるまでの間だけなど、めんどくさいルールがいくつもあった。恋人、夫婦、姉妹、親子をめぐる4つの物語。
川口俊和
サンマーク出版
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